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「猪名川上流広域ごみ処理施設」問題 [自然と環境]

■「猪名川上流広域ごみ処理施設」問題に関して

先日、この問題に取り組んでおられる方から、上記の関連裁判における 1/31付の証人調書(畑 明郎/日本環境学会会長;大阪市立大学大学院 教授/大阪の三菱マテリアルの精錬所跡地問題にも関わる)、同じく、1/31付の本人調書(西川隆夫/豊能町 町会議員;「新能勢物語」著者)並びに、上松勝男さんの「市民オンブズマンからの緊急報告」の資料を見させていただきました。

鉛やヒ素、カドミウムといった重金属類による環境汚染は、日本の歴史の仲で、結構古い時代から発生しているようです。
2/26(日)の朝日TVの「素敵な宇宙船地球号」の『水銀の不思議』ので、平城京が滅びた(長岡京に遷都した)理由について、奈良の大仏の金メッキ(アマルガム法)に使った水銀による公害が原因とする説があることを紹介していました。
http://www.tv-asahi.co.jp/earth/midokoro/2006/20060226/index.html
また、WEB上には、大学等環境安全協議会名誉会員 白須賀公平教授の日経新聞の記事「2004.5月7日(文化欄)」があります。
http://www.bigai.ne.jp/~miwa/powder/daibutu.html

ところで、奈良の大仏建立のための銅は、多田銀山(箕面市〜豊能町〜能勢町〜川西市〜猪名川町〜宝塚市 に至る鉱山)の「奇妙山=現・知明山」周辺の坑道(間歩)から産出されたものも含まれているとのことは周知の通りです。
能勢川キリスト教会では、過去8年間に渡り、「歴史文化研究会」などで茨木市の「キリシタン遺物資料館」を訪問したり、地域(豊能町/能勢町/他)のキリシタン関連の歴史などを調べ、学んで来ました。そのような中で、多田銀山なども調べました。現在でも、多数の間歩(坑道)がこれらの地域に残っています。
この知明山(349.2m)は、現在の一庫ダム(英語のYの形のダム)の中程に位置し、この南側が県立一庫公園となっており、その北側が「広域ごみ処理施設」の計画(既に一部造成工事に着手)が進められている「国崎」地域です。
能勢町では1998年に、焼却場のダイオキシン騒動が起きました。横山ノック氏が大阪府知事の在職の頃で、この問題の結果「広域ごみ処理施設の建設」の計画が持ち上がった訳です。

現在、西川隆夫氏や上松勝男氏他の方々による、「公金違法支出返還請求事件」「土地造成工事差止訴訟」「造成工事費・施設建設工事費支払差止請求事件」等の訴訟が係争中とのこと。時折、各新聞で三段くらいの小さな関連記事が載っていることがありますが、あまり大きく取り上げられていませんし、また、地域住民の意識も未だ低いようです。

私は、「川西市市民オンブズマン」の方からこの問題の話を聞き、関連の資料に目を通しつつ、川西市の広報や「猪名川上流広域ごみ処理施設組合」の発行する機関紙などで状況の推移を見ています。
時々祈りに覚えさせていただいていますが、この問題に取り組んでいる方々が危惧されているように、鉱毒問題が発生してからでは遅いような気がします。
猪名川水系の水を飲料水としているのは、阪神水道として60万人、大阪府側で流域の水を取水して用いている人口が50万人、その他、農業用水として各地で用いられているとのことですので。

私は、群馬県高崎市の出身です。足尾銅山に近いこともあり、以前、祖父母のもとに帰省した折に、東村の「星野富弘記念館」と「足尾銅山」に母親を伴って行って来ました。足尾鉱毒事件に取り組み、国会議員としてもその問題の解決と渡良瀬川流域の人々の救いのため尽力した、田中正造。キリスト者としての彼の信仰と日本の公害問題の原点と言える足尾鉱毒事件を知って、鉱毒問題や自然環境問題を身近に感じるようになりました。

また、今回、工事が始まろうとしている「国崎」地域は、能勢川キリスト教会から車で15分ほどの一庫ダムにあります。能勢川バイブルキャンプ場、能勢川キリスト教会の周辺は、大和団地、グリーンハイツ、清和台、光風台、ときわ台、日生ニュータウン、パークタウン、などがあり、能勢川バイブルキャンプ場は自然が最後に残っている場所です。
キャンプ場の前には、一庫ダムから流れてくる「一庫大路次川(ダムができるまでの名称は、能勢川)」があり、西に 200〜300m の所には、猪名川との合流地点の「ゴルフ橋」があります。
このように、距離的にも近いこともあり、私自身としても、なおいっそう鉱毒問題についての「危惧」を強く感じるように思えます。

奈良の大仏建立のためにも開発した「奇妙山=現・知明山」は、多田銀銅山の主要な鉱脈である4つの親鉉(おやづる)のまさに主要な一つでもあります。そして、箕面市から宝塚市に至る多田銀山の鉱脈の象徴が「奇妙山」であるように思うのです。
かつて奈良時代に僧の行基は、弟子たちを率いて奈良の大仏建立のために尽力し、また、農業振興のために伊丹の昆陽池を作ったことなど、多田銀山やその周辺(北摂、他)に「行基菩薩」の足跡が記されています。また、源氏発祥の地が多田庄(源満仲)であり、豊臣秀吉も江戸幕府も多田銀山を直轄地としました。
<参考 WEB>
http://urano.web.infoseek.co.jp/kunisaki/kunisaki.htm
http://www.eonet.ne.jp/~koutaro/local/index.htm
http://mtchari2.hp.infoseek.co.jp/0403tada.htm

何か、この奇妙山を「広域ごみ処理施設の建設」の名の下にダイナマイトの発破を伴う大規模な「切り盛り」をすることは、冒頭の大仏の金メッキの故に起きた水銀に関係する公害と同様に、スピリチャル(霊的/信仰)な領域における限界点や神が定めた境界線(バウンダリー)を踏み越えてしまうことになるのではないかと危惧します。

また、このことはダイオキシン問題の解決のために「広域ごみ処理施設」を作ることによって、新たな鉱毒問題(カドミウム、ヒ素等の重金属問題)を引き起こすこと、つまり、良かれと思っての対策が返って更なる難問あるいは悪しき副産物を生じさせることに繋がるのではないかと思われます。まさに、「畑の中にいばらやアザミが生じること(旧約聖書:創世記 3章)」に他なりません。

猪名川と一庫大路次川の合流点の「能勢川バイブルキャンプ場」の中の教会に住んでいる者として、キャンプに集う子どもたちのためにも、地域住民の健康のためにも、ゴミ処理施設の動向に注目しています。

3年前に、キャンプ場の後ろの里山にクヌギ(椎茸のホダ木として利用)を伐採しに来ていた、一庫ダム建設によって沈んだ村(旧村)の住民だった年配の男性が、「ダムが出来て川の水が腐ってしまった。」と言っておられました。
30年程前(ダムが出来る前)に青年キャンプに参加した折、能勢川バイブルキャンプ場の前の川で渓流釣りをした時には、一度に3〜5匹の美しい色合いの「オイカワ」や「鮠(ハエ)」が毛針にかかったものです。今も、キャンプ場の隣りには鮎釣りの番小屋がありますが、20年近く閉まったままです。
また、ダムからは表層の水ではなく、酸素が行き渡っていない中層の水(冷水)が放出されているのか、特に夏の大雨や台風による増水時(緊急放水)には、川の一面に霧が立ち込めます。
この旧村の方の話しでは、ダムからの酸素が行き渡っていない冷水によっても、川の生態系が変化し、浄化作用がなくなっているとのことでした。村の方の経験上の話しですが、説得力のある心に響くものでした。

現在は、増水時に岸辺にコイの群れが泳いでいます。鯉は濁った水に生息する魚とのこと。渓流に住む魚、あの虹色に光る「オイカワ」の姿が見られなくなったことや、数年前(平成14年夏)の新聞に出ていた「一庫大路次川、田尻川で見つかった奇形魚」の問題(各ゴルフ場で使用されている除草剤の影響?、重金属類の可能性?)は、自然界の生物を通しての創造主なる神からの人間に対する「警鐘」ではないかと思います。

このような状況の中で、さらに、今回の「広域ごみ処理施設建設」にともなう「多田銀山(奇妙山)」の大量の岩石・土砂の切り盛りによる重金属類の流失の可能性は、「懸念」に終わるものでないように感じます。もし、これが現実のものとなると、一庫ダム、大路次川、そして、猪名川水系がさらに<「腐る」>ことになるのではないかとも思うのです。

■知明湖(一庫ダム湖)の由来
 多田銀山で知られている知明山は、銀銅を産する奇妙不思議な山として、古くは奇妙山と称され、奈良時代に聖武天皇が夢で伊勢皇太神のお告げを受け、東大寺大仏鋳造の銅をこの奇妙山神教間歩(坑道)で掘ったと言い伝えられています。この名をとって、伊藤龍太郎川西市長が一庫ダム湖を「知明湖」と命名したものです。
http://www.mlit.go.jp/river/jiten/nihon_kawa/86060/86060-8_p1_2.html
(国土交通省 河川局 WEBより)

■参考:日本鉱業の多田鉱山から出る排水が流れ込んでいる「野尻川」流域におけるカドミウム汚染(カドミウム汚染米)の問題
(1973年8/15; 9/11; 9/14付 毎日新聞、他)

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■連絡先:川西市市民オンブズマン
上松勝男  〒666-0124 川西市多田桜木 2-11-38
       上松一級建築士事務所
         Fax. 072-792-2775 (先ず、Fax.にてご連絡ください。)

西川隆夫  〒563-0104 豊能郡豊能町光風台 2-8-2
       豊能町議会議員/行政書士
         Fax. 072-738-5151 (先ず、Fax.にてご連絡ください。)
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