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CPTのメンバー、多国籍軍により解放される(3/23) [平和をつくる者]

MBメーリングリスト、
並びに、皆様へ

能勢川キリスト教会:井草です。

先日(3/19)に、「CPTワーカー、トム・フォックス兄の召天のニュース」を送信させて頂きましたが、本日(3/24)メノナイトの大野道夫先生から、CPT(キリスト者平和つくりチーム)の3人のメンバーが解放されたとの連絡を受けました。

■多国籍軍による解放の経緯は、BBC-NEWS (2006.3/23) より、

「イラクで4ヶ月近くも拉致されていた平和活動家の英国人のノーマン・ケンバーさん(74歳)と、2名のカナダ人、ジェイムズ・ローニーさん(41歳)、ハルミート・シン・スーデンさん(32歳)が、多国籍軍によって解放された。
彼らは昨年11月26日にバグダードで、それまで名前の出たことのない「真実の剣旅団」を名乗るグループによって拉致されていた。
彼らの同僚で米国籍のトム・フォックスさんは、2週間前にバグダードで遺体で発見されている。

ケンバーさんはステートメントで「解放されて大変にうれしい。早く英国に戻りたい(It is great to be free, and I'm looking forward to getting back to the UK.)」と語っている。

3人の救出は、イラク時間午前8時(GMTで午前5時)のことだったと考えられている。これに先立つ1週間、英軍が主導し米軍とカナダ軍の特殊部隊が参加した作戦が行なわれていた。

この作戦について当局者から明かされていることは非常に少ないが、拉致した者たちは誰もその場におらず、一切の発砲なく、また誰も負傷しなかったということはわかっている。

・・・・・   」

<「 Falluja, April 2004 the Book 」 "いけだ" さんの訳より>
続きは、"いけだ”さんのサイトをご覧下さい。
http://teanotwar.blogtribe.org/entry-fc142ab4177daca64f759faefa009492.html

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皆様のお祈りと解放のためのご協力に感謝します。

続けて、苦難や危険の中にあるイラクの人々のために、また、イラクの平和の回復のための様々な取り組みに携わっている人々のためにお祈り下さい。

すべてが、主のみ心にかなって前進しますように。

<CPTホームページ>
http://www.cpt.org/

<BBC NEWS の記事>
British Iraq hostage Kember freed
Last Updated: Thursday, 23 March 2006, 17:09 GMT
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/4836218.stm

<上記の記事の訳文 「いけだ」さんのサイト>
http://teanotwar.blogtribe.org/entry-fc142ab4177daca64f759faefa009492.html

■先日(3/19)の「CPTワーカー、トム・フォックス兄の召天のニュース」
は、私(井草)のブログを参照下さい。
< Peter Pooh の "Good News" >
http://blog.so-net.ne.jp/peterpooh/2006-03-19

■ワシントンポストに、トム・フォックスさんに関する以下の記事があります。
"Friends Remember Slain American Hostage"
The Associated Press
Sunday, March 12, 2006; 12:55 AM
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/03/11/AR2006031101703.html?referrer=emailarticle

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From: オゥノ ミチオ
Subject: CPTのメンバー解放される
Date: 2006年3月24日 7:43:44:JST
To: <省略>

 イラクで拘束されていたCPTの3人のメンバーは23日,バグダッドで無事解放されました。
ジム・ローニー、ハルメート・スーデン、ノーマン・ケンバーの3人は4ヶ月近く拘束されていました。
もう一人のメンバー、トム・フォックスは3月10日、バグダッドで射殺死体となって発見されました。
死体には拷問のあともあったそうです。
 以下「ソジョナーズ」とCPTのホームページからの記事を転載します。

---------------------------------------------------------------

The staff of Sojourners rejoices at the news that Jim Loney, Harmeet Sooden,
and Norman Kember - members of Christian Peacemaker Teams who have been
held captive in Iraq for nearly four months - have been released today.

We also now enter fully into our grief for fourth team member Tom Fox, who
was found dead near Baghdad on March 10.

As we celebrate the release of our brothers and pray for their return to
health and life, we pledge to continue working on behalf of the unnamed
tens of thousands of Iraqi dead, disappeared, detained, and tortured.
Christ is present in their suffering (Matthew 25).

- The Editors
from the Sojourners, March 23, 2006

-------------------------------------------

CPT Statement: CPTers Freed

23 March 2006

Our hearts are filled with joy today as we heard that Harmeet Singh Sooden,
Jim Loney and Norman Kember have been freed safely in Baghdad. Christian
Peacemaker Teams rejoices with their families and friends at the expectation
of their return to their loved ones and community.
Together we have endured uncertainty, hope, fear, grief and now joy during
the four months since they were abducted in Baghdad.
[ http://www.cpt.org/ ]

MIKE オゥノ ミチオ
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シャローム Peace be with you!
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03/24/06 07:43:44

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牧師  井草晋一        http://homepage.mac.com/s_igusa/

◇地域社会に根ざし、キリストの福音を伝え、平和をつくり出す◇
         『愛といやしの共同体』
日本メノナイト・ブレザレン教団   能勢川キリスト教会
〒666-0155 兵庫県川西市西畦野字餓景 6-1
TEL. & Fax. 072-794-3537
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CPTワーカー、トム・フォックス兄の召天の連絡に接して [平和をつくる者]

■ CPTワーカー、トム・フォックスさんの殺害、遺体発見のニュース ■

上記の件で、連絡と共に、お祈りの要請を致します。
キリスト者の皆様には、イエス・キリストの御名による祈りを、また、
イラクの平和を願っておられる皆様には、「悲しむ者と共に悲しむ」その思いに、
新たな1ページを加えて頂きたく心より願います。
以下は、クリスチャン向けの「祈りの要請」の表現となっていますが、その内容、
意味するところを心にとめて頂けますなら幸いです。
----------------------------------------------------------------

昨年の 11/26 に「キリスト者平和つくりチーム(CPT)」の4名の
ワーカーがバグダッドにて武装グループに拉致されたことと、とりなしの祈り
の要請を、12/7 付けの「MBメーリングリスト」で日本メノナイト・ブレザレン教団
の兄弟姉妹や、関係者の皆様に連絡させていただきました。
  [mb:1596] MWC 祈りの要請(CPTメンバーの解放のために)

■4人のうちの、トム・フォックス(アメリカ人)さんが殺害されたとの連絡を、
メノナイトの大野道夫先生、山出正一先生から 3/13 日付のメールで受けました。
<下段の引用メール:メノナイト関係者に送信された、東部メノナイト大学(Eastern Mennonite University)の Jim Bishop さん発信  を参照下さい。>

□トム・フォックスさんのご家族に主の慰めがありますように、お祈り下さい。
□また、残りの3名の守りと解放のために。
 カナダ人のジム・ロニー氏とハーミート・シン・スーデン氏、イギリス人の
 ノーマン・ケンバー氏。
□また、イラクでのCPTの働きにおいて、神の栄光が現されますように、お
 祈りください。

CPTのメンバーは、その設立の趣旨を十分理解し、敢えて非暴力で自らの
危険も顧みず、紛争地や争いのある地域、イラク等の戦禍のなかで苦しむ人々
の中に、「平和をつくり出す」ために赴いて行っています。
ですから、「彼らの命が守られますように」と祈るだけではなく、「主イエス
様からの<平和の使者>としての彼らの使命が全うされますように。神の栄光
が現れますように。」と祈ってください。

----------------------------------------------------------------
<1984年 MWC世界会議での、ロナルド・サイダーによるチャレンジ>
 *CPT創設の契機となったメッセージの一節
「我々は、無数の死をも覚悟しなければならない。武器を手に平和を訴える者
たちは、命を惜しまなかった。誇りと勇気に満ちて、彼らは自らの命を捨てた。
幾度も、幾度も、彼らはその明るい未来を犠牲にして・・・・・」

「もし、我々の多くが劇的に、勇敢に平和と正義の新たな英雄然として、犠牲
になる覚悟がないのなら、我々が語って来たことは何ら意味がなかったと、う
なだれて告白すべきである。もし、我々が争いを減らすために、新しい非暴力
的措置を展開しないまま、死んで行くなら、十字架は剣の代わりを果たすと語
って来たことが、全く意味なきことであると告白しなければならない。」
---------------------------------------------------------------------

■ 最後に、敢えて、幾つかの祈りの課題を列挙します。
「御霊(クリスチャンの心の内に住まわれる、聖霊なる神)も同じようにして
 弱い私たちを助けてくださいます。<私たちは、どのように祈ったら良いか
 わからない>のですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、
 私たちのためにとりなしてくださいます。(ローマ人への手紙 8章26節)」
との聖書のみことばを信じて。

□・戦禍とテロなどの苦難の中にあるイラクの人々ために。
 ・一日も早く平和が訪れますようにと祈りましょう。
 ・各民族やイスラム各派の指導者や、暫定政府のために。
 ・人々の間に、癒し、赦し、和解がもたらされますように。
 ・各国政府関係者の働きのために。
 ・米軍の将兵、特に若者たちのために。各国から派遣されている軍隊や
  日本の自衛隊の隊員たちのために。
 ・イラクで活動している、各国のジャーナリストやNGOのメンバー、
  民間企業に所属する人々のために。
 ・「剣」をゆだねられている者たちが、その力や富を用い過ぎることが
  無いように。
 ・自爆テロ(イスラム教のいわゆる殉教者/アルカイダなどの武装集団の
  メンバーによる自爆)や武装グループによる拉致や殺害が押しとどめら
  れますように。
□最後に、人間の怒りや復讐心、傷ついた心、疑心暗鬼、名誉心、プライド、
 宗教心、富を得ようとする心などに働いて、恐るべき破壊や殺戮をもたらす、
 霊的な存在者である「サタン=悪魔」の働きが、イエス・キリストの御名に
 よって封じられ、主が崇められますように!!
 
---------------------------------------------------------------------

■CPT:キリスト者平和つくりチーム(Christian Peacemaker Teams)とは、
1984年のストラスブール(フランス)で開催されたMWC(メノナイト世界
会議)の会議での、ロナルド・サイダー師の呼びかけに答えて1988年に
メノナイト/アナバプティスト/平和主義の諸教会の協力によって創設された
「平和をつくりだす」ための働きを進めている団体です。
現在、中米、パレスチナ、イラクなどの紛争地域で、非暴力の活動をしています。
東部メノナイト大学の「 "Conflict studies in EMU's Center for Justice and
Peacemaking" (正義と平和構築)」の講座をはじめ、メノナイト関係の大学など
で、「 "VORP" (被害者・加害者の和解プログラム)」などの学びや訓練を受け、
まさに、いのちをかけて、争い合うグループの中に割って入り、和解と「平和を
作り出す」ために働いています。

<CPT:キリスト者平和つくりチーム>
http://www.cpt.org/index.html

<トム・フォックスさんのブログ>
http://waitinginthelight.blogspot.com/

*参照のブログ、ホームページ
< Falluja, April 2004 the Book 「CPTのトム・フォックスさん」>
"いけだ" さんによる WEB。トム・フォックスさんや CPT 関連の情報の翻訳と写真。
http://teanotwar.blogtribe.org/entry-89a55a14cbcbbc5d75cdfdd85d825d5e.html

*<カナダの「メノナイト・ブレザレン協議会」のサイト>
(Harold Jantz 先生の文書)
http://www.mbconf.ca/news/cpt-history.en.html
(注)最下段に、翻訳文を入れています。
   翻訳は、岡本信子姉(石橋キリスト教会)
   (監修責任:井草晋一)

■東部メノナイト大学  Eastern Mennonite University
"Center for Justice and Peacebuilding"
 http://www.emu.edu/cjp/

■フレズノ・パシフィック大学  Fresno Pacific University 
"Center for Peacemaking and Conflict Studies"
http://peace.fresno.edu/mission.php
 http://peace.fresno.edu/

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From: <山出正一>
Subject: Fw: EMU Responds to Death of CPT Worker Tom Fox
Date: 2006年3月13日 11:21:04:JST
To: <省略>

只今受信しました。Tom Foxさんが EMU(注:東部メノナイト大学)で「正義と
平和構築」について学んだ兄弟であったと知りました。
ご遺族と関係者一同の上に主の慰めと平安がありますように。
そして残る3名の兄弟の一日も早い解放を祈ります。
お祈りに覚えてください。
山出正一

----- Original Message -----
From: "オゥノ ミチオ"
To:<省略>
Sent: Monday, March 13, 2006 9:41 AM
Subject: Fw: EMU Responds to Death of CPT Worker Tom Fox

----- Original Message -----
From: Jim.Bishop
Date: Sun, 12 Mar 2006 10:45:24 CST
Subject: EMU Responds to Death of CPT Worker Tom Fox
To: <省略>

HARRISONBURG, Va. - News of the death of Tom Fox, 54, a Christian
Peacemaking Team worker held hostage in Iraq, dealt an especially
difficult difficult blow on those who knew him at Eastern Mennonite
University.

U.S. forces in Iraq recovered the body of kidnapped Christian
Peacemaker Teams activist Tom Fox, CPT confirmed on Mar. 10.
Fox, a Quaker from Clearbrook, Va., was found by Iraqi police with
his hands bound and with gunshot wounds to the head and chest the
evening of Mar. 9, according to the Associated Press. When police
saw the body was that of a Westerner, U.S. military authorities
were called to the scene, reports said.

Fox had studied one semester in EMU's Center for Justice and
Peacebuilding graduate program before going to Iraq as a CPT peace
worker. He was kidnapped in Baghdad Nov. 26 along with fellow CPTers
Norman Kember, 74, a Briton, and Canadians James Loney, 41, and
Harmeet Singh Sooden, 32. The four were seized at gunpoint by a
group calling itself the Swords of Righteousness Brigade and have
been shown in videos released by the group, which has demanded
the release of all detainees in U.S. and Iraqi prisons.

The most recent video, a silent 25-second clip that aired on
Aljazeera Mar. 7, showed all of the hostages except Fox.

Lisa Schirch, associate professor of conflict studies in EMU's
Center for Justice and Peacemaking, had Fox in her "strategic
nonviolence" course at EMU.

"May we all hold every human being in Iraq in our prayers as the
trauma, anger, fear and sadness rages on and on," Dr. Schirch
said in response to Fox's death. "And may we all find a way to
renew our own personal efforts to transform those energies into
something more positive.

"Let us remember Tom for the bravery and hopefulness that came with
his determination to be in Iraq to monitor human rights and provide
a different kind of American presence there - one that sought to be
in solidarity with the suffering," Schirch added.

EMU President Loren Swartzentruber, in Florida during EMU's spring
break for development contacts, issued a statement to the campus
community:

"Tom's death, while serving with Christian Peacemaker Teams, reminds
us of the tragic deaths of people of all nationalities through senseless
violence around the world. I agree completely with a statement from
Carol Rose, co-director of Christian Peacemaker Teams, quoted in the
news - 'In response to Tom's passing, we ask that everyone set aside
inclinations to vilify or demonize others, no matter what they have
done.'"

"Please pray for Tom's family, co-workers, friends and for CJP
faculty member Lisa Schirch and others on our campus who knew him
personally, " the president said.

Ruth Zimmerman, co-director of EMU's Center for Justice and
Peacebuilding, said that "we all have a responsibility to break the
cycle of violence and vengeance that has caused the deaths of tens of
thousands in Iraq, including Tom Fox.

"The answer is not more violence, more vengeance," Zimmerman said.
"The answer is more people with the courage and faith of Tom Fox to
stand up and say, 'Love, forgiveness, and restorative justice are the
answers, not violent retribution.'"

Fox is the first to be killed in "the line of duty" of the 2,000
peace workers that have received training through EMU's Center for
Justice and Peacebuilding, but many others have been threatened and
some have been beaten, said Zimmerman.

EMU alumni have been following Fox's fate with close attention and
much prayer. Zimmerman said she is "especially proud of EMU's Muslim
alumni and visiting professors who have bravely spoken on behalf of
the hostages."

Khadija Ossoble Ali, a Somali Muslim who earned a masters degree in
conflict transformation at EMU in 2000, responded to news of Fox's
death with this e-mailed comment to her fellow alumni: "He was the
hope for a better future for all of us who have been kept hostage
by a small minority in the name of religion.

"May we all pray for Tom, for his bravery and courageous work and
may God bless him and give us the strength to succeed and transform
our despair to a more peaceful coexistence as human beings."

EMU held prayer vigils for the four kidnapped CTP workers on campus
Nov.30, 2005 and Jan. 30, 2006. Fox was scheduled to speak at EMU
in February this year.

Note: Additional campus responses are likely to be planned at EMU
after classes resume Monday, Mar. 13.

- Bonnie Price Lofton,
CJP development director, contributed to this report. ----------

Jim Bishop
Public Information Officer
Eastern Mennonite University
Harrisonburg VA 22802
Phone: 540-432-4211
Fax: 540-432-4448
www.emu.edu

"Dance like nobody's watching,
dream like you will live forever,
live like you're going to die tomorrow
and love like it's never going to hurt."
- Meme Grifsters

MIKE オゥノ ミチオ
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シャローム Peace be with you!
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03/13/06 09:41:26

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*<カナダの「メノナイト・ブレザレン協議会」のサイト>
( Harold Jantz 先生の文書 より /
原文:the "Winnipeg Free Press", December 4, 2005.)
http://www.mbconf.ca/news/cpt-history.en.html

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『キリスト者平和つくりチーム(CPT)』

フランスでの「メノナイト世界会議」でのメッセージを期に発足

筆者:ハロルド ジャンツ

「キリスト者平和つくりチーム」が世界のどこかで人質に捕られて、その命が危険にさらされていることを知らされるのは、恐らく避けられないことであった。
現在、イランにて、その状況下にある4名のグループは、自らを「正義軍の剣」と称する集団によって、11月26日にバクダッドにて囚われの身となった。
4名のうち2名は、カナダ人のジム・ロニー氏とハーミート・シン・スーデン氏、イギリス人のノーマン・ケンバー氏、アメリカ人のトム・フォックス氏である。

CPT(キリスト者平和つくりチーム=Christian Peacemaker Teamsの略、以下CPTと記す)の始まりは、1984年フランスのシュトラスブルグで開催されたメノナイト世界会議の閉会近く、土曜日の朝の集会の時であった事を、私は鮮明に覚えている。講演者は当時、メノナイト系の“Brethren in Christ”(注:日本では、キリスト兄弟団(けいていだん))の学び舎、フィラデルフィアのメシア大学で教授ならびに平和運動家であったカナダ出身のロン・サイダー氏で、テーマは、「平和 —神の民の和解—」であった。

 サイダー氏が、その週に語った全ての言葉には、まるで電気が帯びたように、聴衆に大きな衝撃を放った。

サイダー氏は次のように語った。

「殉教、移民、宣教活動という過去450年を経て、シャローム(平安)の神は、20世紀の終わり、その歴史における約束の時に、我々アナバプティストを用意されていたのです。」

「これからの20年は、最も危険です。恐らくは、人類史上、悪や暴動が一番はびこる時代になるでしょう。しかし、我々が十字架を抱いて、和解しようとするならば、神に従う人々は、世界の歴史の線上に深いインパクトを与えることでしょう。」

「それは、我々にとって、最も素晴らしい時間となり得ましょう。世界は、これ以上我々からのメッセージを必要とせず、これ以上、オープンにするものもなくなるでしょう。けれども今こそ、イエス様が平和への道であられるという我々の信仰の故に、全ての危険を冒す時なのです。我々がそう信じているのなら、これまで話して来たことを自らが行動に移す時なのです。」

シュトラスブルグでの会議の2年後に、サイダー氏の呼びかけは、CPT(キリスト者平和つくりチーム)の結成に至った。

サイダー氏は、無謀とも言えるような以下のようなアピールを打って出た。

「我々は、無数の死をも覚悟しなければならない。武器を手に平和を訴える者たちは、命を惜しまなかった。誇りと勇気に満ちて、彼らは自らの命を捨てた。幾度も、幾度も、彼らはその明るい未来を犠牲にして・・・・・」

「もし、我々の多くが劇的に、勇敢に平和と正義の新たな英雄然として、犠牲になる覚悟がないのなら、我々が語って来たことは何ら意味がなかったと、うなだれて告白すべきである。もし、我々が争いを減らすために、新しい非暴力的措置を展開しないまま、死んで行くなら、十字架は剣の代わりを果たすと語って来たことが、全く意味なきことであると告白しなければならない。」

1984年にサイダー氏が講演した頃の世界情勢は、北アイルランドの暴動、中近東での緊張情勢、南アフリカのアパルトヘイトの崩壊、アメリカとソ連の、自国こそが一番正しいとするイデオロギー合戦、中央アメリカ、アフガニスタン、フィリピンやポーランドの「人民の正義と自由への夢」の時代であった。

サイダー氏の特別な呼びかけは、「仲介人」を買って出る人・・・つまり、敵対する両者の間に入って、和解、平和、正義の証人となりたいと願う人々に向けられた。彼の講演に続いて、ディスカッション(話し合い)グループは、「急進的な」「魂の追求」「我々への預言者」というような言葉を用いて、何か具体的な事を、サイダー氏の呼びかけから導き出さねばならないという意見に到達した。それは、まるでサイダー氏が、その週全体に焦点を当てていた事の結果のようであった。

何かをしなければならない・・・・・・こうして、「キリスト者平和つくりチーム」は発足した。

発足後20年の間に、CPTは様々な方向に向けて、戦略を展開して来た。その記録文書は、非暴力的調停の地域の取り組みに協力できる国際チームへの訓練について説明している。それは、世界が広範囲に、もっと正義への関心に目覚めるように、公に、でも非暴力的にCPTが正義の仲介となれるように。また政策を立てる人たちの重要な代弁者としての役割を担う為に、地域の議会や団体と共に働く「平和つくりチーム」を築く為の訓練などである。

その発足以来、CPTは、チェチェンやボスニア、イギリス、北米やカナダ、アフガニスタン、パレスチナ、メキシコ、コロンビアやプエルトリコで働くチームを与えられてきた。

地元、北米では、CPTは数年もの間、ケノラ地区にチームを有し、古来インディアン(アメリカ原住民)居住区において、独占的に伐木搬出業を行って来たアビディビ統合体に対して、その被害を受けているグラッシー・ナロウズのインディアン集団を援助して来た。
ノバ・スコティア居住区では、司法局の決定で、ロブスター漁をする原住民に有利になるようにと最高裁が定めた年2回の漁獲期の為に、バーント教会でCPTチームが与えられた。

CPTチームは、過去10年の間、ガザ地区とパレスチナ西岸地域に足を踏み入れ、真実を語り、文書を発行するという役割を果たしながら、イスラム世界で多くの尊敬を勝ち得た。CPTの仕事の大半は、一般市民へのインタビューや、より力を持ったグループの行動が、イスラム教徒たちにどのような影響を与えているかを報告することである。

これがイラクで、人質となっているCPTへの擁護の声が、どれほど強く、どれほど首尾一貫したものであるかの理由である。人質についての安否を気遣い訪れて来る人たちは、囚われの身の彼らが、戦争に反対し、弱者への擁護がゆるぎない者たちであることを理解している。

彼らは、スパイとして、また、アメリカやイギリスの武力行使の擁護者としてイラクに居るのではないのである。
---------------------------
Harold Jantz is the former editor of the "Mennonite Brethren Herald" and founding editor of "Christian Week".
This article first appeared in the "Winnipeg Free Press", December 4, 2005. Used by permission.
-----------------------------------------------------------

以上

訳責:岡本信子

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<参考文献の紹介>
『平和つくりの道』 ロナルド・サイダー著 
 原著: "Christ and Violence" 1979
     "Nuclear Holocaust and Christian Hope" 1982
      - A Book for Christian Peacemakers -
  棚瀬多喜雄 編訳/棚瀬江里哉 共訳  
  いのちのことば社(2004.4/20 発行)
http://www.wlpm.or.jp/pub/1596/index.htm

<Amazon>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4264022223/250-9995303-6827452

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平和つくりの道

平和つくりの道

  • 作者: ロナルド・J. サイダー
  • 出版社/メーカー: いのちのことば社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本


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