『修復的司法』 ハワード・ゼア博士 来日プログラム [平和をつくる者]
■「修復的司法」に関する、ハワード・ゼア先生のセミナーについて
私(井草)は、先週の一週間、ホーリネスの東京聖書学院で行われた、ハワード・ゼア先生の「修復的司法」に関するセミナーと、7/1 の「日本宣教学会」のセミナーに参加して来ました。
<写真右:Howard Zehr 博士>
ここ数週間、テレビなどでは、山口県光市で99年に起きた母子殺害事件の上告審判決に対し、被告の元少年(25)に死刑を求め続けてきた遺族の本村洋さんのニュースや、奈良県田原本町の医師(47)宅が全焼(6/20)し、焼け跡から母子3人の遺体が見つかり、私立高校1年の長男(16)が逮捕されたニュースなど、少年による殺人犯罪が連日のように取り上げられていました。
このような中で、修復的司法(Restorative Justice)や、被害者・加害者の和解プログラム(VORP)の働きの創設から関わって来られた、ハワード・ゼア博士(東部メノナイト大学 教授)が来日され、東京方面の各地の神学校、大学などで講演やセミナーが行われています。
これは、日本のキリスト教会や、日本の社会に対する、神様の摂理的なご計画であると思われます。
今回のゼア先生の来日プログラムには、キリスト教関係のみならず、大学の法学部/社会学部の関連での講演や、日本弁護士連合会主催による講演会も予定されています。
日本の法制度や裁判制度、被害者とその家族の癒しや加害者の真実な矯正、社会復帰などの領域で、大きなインパクトを与え、「パラダイム転換」を迫るものです。
また、これは、キリスト教会の信仰における「贖罪論」の理解の変革(トランスフォーメーション)と、福音宣教の今後の方向性や教会内部の「癒し」にも新たな視点を与えるものだと思います。
ゼア先生のお働きのために、また、弁護士連合会の研鑽のために、お祈りいたします。
*参考:被害者・加害者の和解プログラム
http://homepage.mac.com/s_igusa/Menu14.html
■<追伸>(「H. ゼア講演実行委員会:金本悟/西村春夫」より)
*なお、 7/7 以降に、ある新聞(全国紙)の記事に大きく取り上げられるでしょう。
*クリスチャン新聞では、今回のTMRIのセミナーを第一面で取り上げるとのこと。
*また、フジテレビ系で、以下の番組が放映されます。
■ 7/12(水)深夜 2:28〜3:28
「死刑廃止への旅 被害者家族、加害者家族のテキサス17日間」
■ 7/19(水)深夜 2:28〜3:28
「裁判員制度」(仮)
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2006/06-192.html
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/library/2006/511.html
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■ハワード・ゼア博士 来日プログラム(1) <宗教関係>
◇6月27日(火)〜30日(土) 東京聖書学院(東村山市)
主催:東京ミッション研究所(TMRI)/東京聖書学院(ホーリネス教団)
講演:『新しい社会を形成する教会』〜包括的贖罪理解による共同体の変革〜
1. 壁に向かって:"Doing Life" をめぐって
2. 加害者:正義が求めるもの
3. パネル・ディスカッション (教誨師、他)
4. 信仰:トラウマと癒しの要因
5. 悲しみの時:被害者と教会
6. 被害者と地域教会 (ビデオ/ディスカッション)
7. 視点を変える:修復的司法とは
8. 修復的司法の聖書的基礎 (中島光成師)
9. 現代日本における修復的司法 (ビデオ/質疑応答)
10. 修復的司法の現代的実践
11. 教会における実際的課題&質疑応答 (ゼア師/中島師)
■ハワード・ゼア博士 来日プログラム(2) <アカデミック関係>
◇7月1日(土)13時〜15時30分 ニコラ・バレ修道院9階
主催:日本宣教学会
主題講演:「報復ではなく、ゆるし、いやし、和解」
◇7月3日(月)15時〜17時 早稲田大学9号館5階第1会議室
主催:早稲田大学比較法研究所
講演:「近代における刑罰論と修復的司法」
◇7月4日(火)18時〜20時 弁護士会館2階クレオBC
主催:日本弁護士連合会
講演:「21世紀の〈復讐〉と〈赦し〉——米国における修復的司法の取り組みに学ぶ」
◇7月5日(水)18時30分〜 日本聖公会牛込聖バルナバ教会
主催:「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク主催
講演「〈罰の裁き〉から〈きずなの回復〉へ——修復的司法の聖書的・霊的基礎」
◇7月6日(木)13時30分〜18時30分 東洋大学白山キャンパス浦水会館2階
主催:ゼア博士講演実行委員会=東洋大学社会学部ハークプロジェクト共催
講演:「アメリカにおける私の実践」
実践報告と討論:「被害者加害者対話支援センター」(関西VOM)
「千葉被害者加害者対話の会」
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<■東京地区メノナイト教会連合(TAFMC)指導者研修会のお知らせ■>
・日時:2006年7月4日(火)
午前10時〜12時30分 (講義:1時間半)
・会場:弥生台キリスト教会 (牧師:東條隆進)
(日本キリスト兄弟団)
〒187−0002 東京都小平市花小金井4-12-6 (Tel. 0424-63-7295)
http://members.jcom.home.ne.jp/bicj/yayoidai.htm
・費用:参加無料
■□■『修復的司法(Restorative Justice)』■□■
最近、各界で注目されている「修復的司法」に関して、その分野の専門家である、フレズノ・パシフィック大学(米国加州)のドゥエイン・ルース‐ヘッフェルバウアー師が分かりやすく解説してくださるとともに、その実例を、特にインドネシアでのご自身の体験から語ってくださいます。
正義、そして平和を追求するキリスト教会として、この課題をどのように捉え、それに取り組んでいくか、講義とともにフォーラムを下記のように開催しますので、是非ご参加ください。
なお、TAFMCの指導者研修会のプログラムですが、神学塾、生活講座受講者の他、一般の参加者も歓迎いたします。参加希望者は、TAFMCの教会員であれば所属教会を通して、それ以外の方は神学塾・AMENまでEメールにてお申し込みください。
講師:ドゥエイン・ルース‐ヘッフェルバウアー
Duane Ruth-Heffelbower
弁護士、法律カウンセラーであるとともに、さまざまな紛争における仲介者、代弁者と奉仕する。カリフォルニア州中部地区においてVORP(被害者・加害者の和解プログラム)の運営にも携わる。フレズノにあるメノナイト・コミュニティー教会の会員として、時には説教奉仕も担当する。今回は、インドネシアにおける紛争解決の働きの後に、成田が飛行機の乗継地であったことから、東京訪問の機会となった。
主催 東京地区メノナイト教会連合
(議長 宮崎宣洋)
協力 神学塾・AMEN(理事長 東條隆進)
問合せ・参加申込み連絡先
AMEN(アナバプテスト・メノナイト教育ネット ワーク) 榎本和広
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牧師 井草晋一
http://homepage.mac.com/s_igusa/ ◇ http://blog.so-net.ne.jp/peterpooh/
◇地域社会に根ざし、キリストの福音を伝え、平和をつくり出す◇
『愛といやしの共同体』
日本メノナイト・ブレザレン教団 能勢川キリスト教会
〒666-0155 兵庫県川西市西畦野字餓景 6-1
TEL. & Fax. 072-794-3537
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被害者と加害者の対話による回復を求めて―修復的司法におけるVOMを考える
- 作者:
- 出版社/メーカー: 誠信書房
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
心からのごめんなさいへ―人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦
- 作者: 品川 裕香
- 出版社/メーカー: 中央法規出版
- 発売日: 2005/07
- メディア: 単行本
井草先生,
ゼアー先生にはSPIで教わりました。今回はTBSの講義には行けませんでしたが,TAFMCの集会でお目にかかりました。
by オゥノ ミチオ (2006-07-19 09:37)
ブログへのコメントを有難うございました。また、ハワード・ゼア博士来日の際には、大変お世話になり有難うございました。修復的司法のみならず、犯罪という問題系において、宗教はますます重要な役割を果たしてゆくものと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします。
by hosoi (2006-07-24 12:39)
前略、ゼアの先駆的な働きに感謝しています。私も、ゼアのような、平和学の
研究者になりたいと望んでおり、「国連平和大学」への進学を希望しています。
警察の構造的暴力の体質に対しても、改革が進むことを望んでいます。
「公訴権の濫用」の実態には、目に余るものがあります。平和を造りだす者
の実践トレーニングのアイデアがあれば、教えてください。
私は、手探りで実践に取り組んでいます。
徒然憲法草子~生かす法の精神~
請願書「修復的司法の実現を望む!」
軽微な交通違反における「現行犯逮捕の濫用」
の実態の改善について
ドイツは、1968年、交通違反を刑法の「犯罪」の概念から除外した。単なる交通違反にとどまり、他人の身体、生命、財産といった法益に対して具体的な危険を生じさせなかった行為は、酒酔い運転や無免許運転を除いて、犯罪とはならず、「秩序違反法」による過料扱いとした。秩序違反は不法性の程度が一般的に軽微であることから、ドイツでは、強制処分には法律上の制約があり、例えば、仮逮捕や拘留は一切認められていない(46条3項)。つまり、ドイツでは、軽微な交通違反での警察官の逮捕、拘留こそ、犯罪行為となる。
ところが、日本では、交通違反は犯罪の位置づけなので、警察官が違反を現認したとして、違反事実に異議を申し立て争う市民を逮捕する。高知県警の情報公開資料「交通反則行為に係る現行犯逮捕一覧表」によると、逮捕件数は、平成20年28件、19年39件、18年40件、17年70件となっている。昨年度の28件の内、一時停止12件、踏切1件、転回1件、通禁3件、信号点滅1件、信号無視3件、速度7件が実態である。
強制的な逮捕という手続きをとらなくても任意同行で十分な事案において、現行犯逮捕を濫用しているこれらの実態について、刑事政策上、人権との比較考量を再考する必要があるのではないでしょうか。
ドイツ基本法第一条「人間の尊厳は不可侵である。それを保障し、擁護することは、全ての国家機関の責務である」との国際人権規約に則った法理念は、世界人権宣言を批准している日本国においても、尊重されるべき内容でしょう。
日本国憲法の法体系は、第99条において、その責務を明確に規定している。他人の身体、生命、財産といった法益に対して具体的な危険を生じさせない交通違反の多くは、諸外国の規範に倣い、非犯罪化する必要があるのではないか。なによりも、軽微な交通違反における「現行犯逮捕の濫用」の実態に対して、修復的司法の実現によって、人権擁護のメスを入れ、早急に、しかるべき立法措置並びに刑事政策的問題解決を図って頂けるよう請願申し上げる。
山下 安音です。ブログ開設しました。ご覧ください。
高知白バイ事件の調査結果をレポートしています。
http://blog.goo.ne.jp/costarica0012
http://blogs.yahoo.co.jp/costarica0012
高知・コスタリカ友好交流を創って行く会
★平和はあるものではなく創って行くもの、また生きるもの
by 山下 安音 (2009-07-19 16:59)