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『第12回  南原繁シンポジウム』 ー 南原繁と戦争 ー [平和をつくる者]

『第12回  南原繁シンポジウム』
ー 南原繁と戦争 ー
 
11月3日(火)に東京の「学士会館」で開催された、南原繁シンポジウムに参加しました。
会場は、200名の参加者で満員でした。
 
南原繁_シンポジウム_2015-1103.jpg
 
<南原繁 研究会 >
http://nanbara.sakura.ne.jp/simposium2.html
 
東京大学教授の加藤陽子氏の講演の後、木花章智氏、村松 晋氏、宮崎文彦氏の三人による発題とパネルディスカッションがありました。
終了後の懇親会では、南原繁の次男、南原晃氏(81)の挨拶がありました。
 
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南原繁_次男挨拶.jpg

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内村鑑三の弟子であり、無教会派の信仰を受け継ぐ南原繁の信仰と政治学者としての考えや主張は、21世紀の日本の歩むべき方向性や国際関係、国連のあり方、日本としての今後の国際貢献について、示唆に富んだものだったと実感しました。
1980年に福音聖書神学校(EBS)に入学した頃、図書室の「国家と宗教」の本を読み、昭和18年に記した「カトリシズムとプロテスタンティズム」の論作では、「・・・将来、第二の宗教改革として、東洋の日本民族によって、遂行し得られないと誰が断言し得るであろうか。・・・」と記されてあり、深い感銘(共感)を覚えました。
 
無教会派の信仰の指導者たちのメッセージ、論説、提言などは、深い信仰と鋭い洞察に裏打ちされた「時代の預言者」の言葉と言えるのではないかと思わされます。
 
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今回の国会における安保関連法案の審議や日本としての国際貢献のあり方など、南原はすでに言及しています。
 
「・・・戦争放棄はもちろん当然なさるべきことですけれども、一兵も持たない完全な武装放棄ということは日本が本当に考えたものかどうか、ということを、私は(注:貴族院にて)質問したわけです。つまり、私の考えは国家としては自衛権を持たなければならない。ことに国際連合に入った場合のことを考えるならば、加入国の義務として必ずある程度の武力を寄与する義務が将来生じるのではないか。その場合、どうするのかということですね。
それに対して福田先生が「絶対平和論との関係は?」と問われる。
宗教・道徳の問題としては絶対平和論はいえるけれども、私はやはり政治学者として考えるから、国家には最小限度の自衛力なり防衛力なりは必要ではないかと考えております。ただ、せっかく第9条で、ほかのどの国にも無いような新しい平和憲法をつくった日本であるから、この新しい精神はできる限り、何らかの形で生かすことを考えたい。その両者をどう調和させたらいいかという問題が残ると思います。・・・」
<「聞き書 南原繁」(351頁)>
 
南原が想定していた軍事面での国際貢献とは、「集団的自衛権(外部の敵による攻撃から自らを防衛する権利)」ではなく、警察機能を有する国連軍による「集団安全保障(一つの集団の内部の秩序維持に向けた制度)」であったわけであるが、未だかつて国連憲章に基づく「特別協定」による正規の「国連軍」は形成されす、「多国籍軍」としての活動となっている。」と発題講演で宮崎氏は述べられました。
 
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「和平、平和の実現はには、複数のアクターとの交渉、ネットワークの構築が重要であり、非政府組織(NGO)への支援、ネットワークの構築、人材育成をすることが求められる。国家(日本)が果たすべき役割はこのあたりにも存在する。」との宮崎氏の結論は、私自身も、共感しました。
 
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無抵抗主義(ノンレジスタンス)の領域から、「剣」を委ねられた領域の人々、組織の<連携と連帯>による「平和作り(Peacemaking)」を提唱した私自身の考えや思いと同じ見解に立たれる人々がおられることに励ましを受けました。

( 2006-0805 「レンズを換える平和問題」 キリスト新聞)
http://peterpooh.blog.so-net.ne.jp/2006-08-06-1
  
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クリスチャントゥデイに、記事が掲載されました。

http://www.christiantoday.co.jp/articles/17525/20151107/nannbara-shigeru-workshop-12th-symposium-war.htm
 
 
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